(4/4) 情報の価値とMedyが支えるもの | Medy制作の背景

(4/4) 情報の価値とMedyが支えるもの | Medy制作の背景

ー 手軽に情報が手に入る時代に、情報に対価は支払われるのか。その中で、Medyはどういった役割を担うのか。

2021/10/6

Spectraの浅香( @__asachi__ )です。
9/29にリリースした、ニュースレターつき会員制メディア作成サービス「Medy」(メディ) の制作に至った背景について、メディア・情報・広告の観点から、過去現在未来の流れで書いています。
今回が最後となり、「情報の価値とMedyが支えるもの」として、この時代における情報とは、Medyが何を目指すか・サポートするのかというコアについて触れていきます。
これまでの記事は↓から読んでいただけますので、一連の流れを把握したい方は、ぜひご一読ください!


Is All Information Free ?

最後に、情報やコンテンツに対価は支払われるのかという点について考えてみます。
これまで述べてきた歴史や考察も、結局はこの点がはっきりしない限り、Medyというサービスが成立し得るのかという問には答えられないと思っています。

手軽に情報が得られるのが当たり前の世界

現在、インターネット上ではあらゆる情報が手軽に手に入り、我々消費者もそれが当たり前であると認識していると思います。
この記事を執筆している際にも、日本語が正しいかが気になった際には検索エンジンで意味や用法を検索しましたが、1分にも満たない手軽さで確認できました。また、史実を確認する際にも、公的書類や論文等に簡単にアクセスできました。
「ググる」や「Google」といった単語が動詞として「検索する」という意味で辞書に掲載されるまでになったように、検索するという行為は我々の日常的な活動の一部となり、圧倒的な量の情報をインターネット上で得られるようになっています。
また、非言語・非クエリ検索での情報・コンテンツとの出会いも増加しています。
たとえば、画像に文字情報を付帯することが増え情報収集ツール化していると言われるInstagramや、学習・解説コンテンツが増えてきているYouTubeなど、文字情報以外がメインとして投稿されるサービスは、嗜好性の学習が非常に高度であり、(探索に近い)特定の目的がない行動時にすら、自分にとって有益な情報を享受することが可能です。
そのような環境下で、いつしかインターネットによって "全ての" 情報やコンテンツが簡単に手に入ると思い込んではいるのではないでしょうか?


検索で手に入る情報と手に入らない情報

では、果たして本当に、インターネットによって "全ての" 情報やコンテンツが "簡単に" 手に入るようになったのでしょうか?
この問を考えるにあたり、重要なのは
  1. 目当ての情報がインターネットに存在すること
  2. その情報にアクセスできること
を区別して考えることです。
1に関しては自明で、「ないもの」は手に入りません。
また、結局、仮に目当ての情報がインターネット上のどこかに存在していたとしても、そこにアクセスする術を持っていなければ、その情報には到達できません。
下記にて、インターネットでアクセスしやすい情報とそうでない情報の違いを考えてみます。

◯インターネットでアクセスしやすい情報
  • 具体的な問
  • (おおよそ)正解の存在する
例えば、「今週末の東京の天気」や「二次方程式の解の公式」、「LTVの意味」などです。

◯インターネットでアクセスしにくい情報
  • 抽象度の高い
  • 正解の存在しない
  • 問そのもの
例えば、「ビジネスマンとして成長するには」といった問を検索窓に打ち込んで検索するのはどうでしょうか。このような問は抽象度が高く、絶対的な正解が存在しないので、単純検索では一般論・基礎論理がヒットするだけで自分が求めている情報には辿り着きにくいと考えられます。
また、問題意識がないものについては調べようがありません。調べるきっかけや描写する言葉がないからです。
さらに言えば、
  • 情報の理解に専門性を要する情報
  • 一定頻度でのアップデートが必要な情報
  • 複数ソースの参照を必要とする情報
などは個々の情報へのアクセスのしやすさとは別に、それらの情報を理解・収集するのに労力を要するため簡単に手に入るとは言えません。(例:ドメインの専門知識, 語学, 閲覧権限が必要なケースなど)

では、これらの情報を得たい時には我々はどうしているかというと…
有識者や尊敬できる人、自分と合う価値観を持った人に、その答えを求めてはいないでしょうか。
そして、そのような人の発信する情報にこそ、対価を支払うだけの価値があるのではないでしょうか


情報はタダになったのか

初めに提起した「情報やコンテンツに対価は支払われるのか」という問を改めて考えると、
  • 抽象度の高い問
  • 正解の存在しない問
  • 問そのもの
  • 理解に専門性を要する情報
  • 一定の頻度でアップデートがある情報
  • 複数の情報源を参照しないといけない情報
これらの情報は、検索エンジンでは手に入りづらく、人はその情報源として集合知よりも自身の価値観との相性やその人の社会的な信頼度を考慮して、個別のロールモデルを求めるのではないでしょうか。
そして、これからは消費者がアテンションに身を任せず、自ら情報を取捨選択することの必然性が高まる時代です。
そのような情報、あるいは発信者にこそ対価を支払うだけの価値が自然と生まれていくのではないでしょうか。
多様で不確実な時代、そして情報過多社会において、我々にいま新たに必要なのはそのような検索エンジンでは手に入らない情報なのではないかと考えています。


Medyが目指すもの

前述のように、Medyでは検索エンジンでは簡単には手に入らないような「情報」「コンテンツ」ならびに「知」が流通していくための裏側を担っていければと考えています。
(主に)発信者側に複雑なリテラシーや専門知識を求めずに、上記の状態を達成することがMedyが担うミッションです。
また、細かい話にはなりますが、下記のような点の体験設計も必要だと感じています。
  • 流通チャネル
  • 対価の支払い
たとえば、現在はメールを軸に展開していますが、その他にも手元に届ける・手元で読んでもらえる手段をつくることは可能です。消費者が受け取ることができるチャネル・受け取りたいチャネルという観点で考えることで、発信者の良質なコンテンツをより届けていくことに繋がります。
対価の支払いについても、クレジットカード決済・電子マネーにとどまらず、スマホ決済・バーチャルカード・後払いなど、決済は多様化し、より素早く・便利になってきています。支払形態のフレキシブルさ、支払い体験のシームレスさは発信者のビジネス規模拡大のために、気にかけていきたい項目です。


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